誕生順位が性格の形成に与える影響について

昨日は珍しく我が家の娘2人が揃っていて、おしゃべりに花が咲きました。
つくづく思うのは、同じ親が同じように育ててきたのに、全く違う性格だよなぁ、ということ。
もちろん、いい悪いではなく、それぞれの良さ、個性という意味で。
不思議です。
誕生順位による性格の特徴
アドラー心理学では、いわゆる「性格」の形成には、家族の配置関係(親がいて、兄弟姉妹が何人いて、祖父母も同居していて、というような)が大きく影響し、その中でも、親との関係性よりもむしろ兄弟姉妹の誕生順位の影響を受けるとされています。
それぞれの特徴として言われているのは次のようなものがあります。
第一子・・・一番であり続けなければならない
両親の愛情や関心を一身に受けて育ちますが、下の子が生まれた途端、両親から得られた100%の愛情が奪われることになるため(奪われたと感じるため)、それを取り戻すために何事も頑張ります。
・注目の中心になろうとする
・頼りがいがある
・他よりも優越の地位をしめなければならないと考える
・公正であろうとし、相手をコントロールしようとする
・ルールに忠実
・完璧主義
・白黒をハッキリさせたがる
・自他ともに批判する傾向
第二子・・・追いつき、追い越さなければならない
第二子は第一子とライバル的な関係になりやすく、親からの愛情や関心、注目を得るために、あえて第一子と別の道を歩む傾向があります。多くの場合、第一子と第二子は正反対の性格になります。
・競争的
・第一子と別の道を選ぶ
・第一が持っていない能力を開発する
・一度も親から100%の注目を得られない(何か足りないという感覚)
・有能で創造的
・劣等感や無能感を持つ
中間子・・・自分の居場所を見つけなければならない
生まれた時にはすでに上の子が存在し、少しすると下の子が生まれるので、親からの愛情や関心を十分に受けた経験がありません。親から愛されていないと感じたり、自分には居場所がないと感じながら育ちます。
・上下の兄弟姉妹に挟まれ圧迫感を感じる
・不公平感を感じる
・仲介者で平和主義者
・柔軟性があるが自分がない
・取り残された感じがある
・人助けが得意
末子・・・特権を持つべきだ
両親、きょうだいから甘やかされて育ちます。上のきょうだいに比べて弱さや小ささを感じながら育つので劣等感をもちやすい傾向がある反面、自分の能力に自信が持てると成功者になります。
・欲しいものを得て、したいことをする
・他者にしてもらうことを期待する
・マイペース
・物事の決断、行動、責任を他者任せにする
・ひとりでいる時間が好き
・自分の能力に強い自信をもつ、またはいっさい持たない
単独子・・・私は特別であるべきだ
親の愛情や関心、注目を一身に受けて甘やかされて育ちます。自分は特別である、という感覚を持ち、他の人と分け合う、分かち合うという経験がありません。大人の中で自分の無力感や劣等感を持ち、大人との接し方をよく心得ていて注目されようとします。
・特別であり、特別な機会をもちたい
・大人とのつきあいが上手
・自己中心的
・独立的、もしくは依存的
・分け合うことが苦手
・注目の的でありたい
それぞれの特徴はあくまでも「傾向」であり、きょうだいの性別や人数によっても変わってきます。
結局のところ、性格の形成には、誕生順位やきょうだいの人数だけでなく、生まれた状況やおかれた環境を子供自身がどう捉えるか(親や周りの大人がどう認識させるか)、によって形成されてくるのです。
家庭は一番の安心できる場所
きょうだい間のライバル意識や競争心理は大なり小なりどうしても存在します。
そして生育環境の競争によって劣等感は生まれます。
子供に劣等感を持たせないためのひとつには、親がきょうだい一人一人と常に平等に接することです。
家庭内の競争意識は、安心感を育めず、家庭に自分の居場所を見出すことができません。
家庭の安心感があってこそ、自己肯定感は育むまれていきます。
幼少期に過ごす家庭の中は、子供にとって安心していられる場所であって欲しいと願います。
須藤 有紀
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