「納棺の儀」旅支度 仏さまの世界へ行くまでの四十九日の旅

「納棺の儀」旅支度 仏さまの世界へ行くまでの四十九日の旅
先日父の葬儀が終わり、まだまだ実感はないものの、やっぱり何となく心静かに過ごしています。
たまに子供の頃を思い出したりしながら。
その時のお寺さんが、亡くなった方を思い出してあげるのが一番の供養になると、お話ししてくれました。
実家も私も、普段は全くの無宗教であるのに、このときばかりは信心深い仏教徒になるものですね。
実家は浄土宗(初めて正確に知りました)なので、それに倣って葬儀を行い、「旅支度」なるものも初めて体験しました。
ひとつひとつに意味があり、 何とも言えない静かな気持ちになりましたので、忘備録の意味で綴りたいと思います。
浄土宗では、人は亡くなってから、四十九日かけて、仏さまの世界まで旅をするのだそうです。
納棺の儀は、死への旅立ちの準備をしてあげるという意味があります。
家族や近い親戚で、旅の身支度をした後、棺に納めます。
納棺師さんは女性の方でした。
映画「おくりびと」の世界です。映画を見たはずなのですが記憶が・・
まず、白装束に着替えさせて下さいました。
そして、母から順番に近親者で末後の水をとります。
末後の水とは、「喉が渇かないように」という意味で、大きい綿棒に水を含ませて口元をチョンチョンと潤す感じです。
故人の好きだった飲み物がいいですね、ということでしたので、ビールにしました。
次に、湯灌(ゆかん)と言って、お湯につけて固く絞ったタオルで、顔や手足を静かに軽くトントンと拭いていきます。
決してこすらないで下さい、とのことでした。
次に足袋をはかせます。 足袋には長い紐がついていて、 紐を後ろで交差して前で立て結びでむすびます。同じ方向に2回結ぶと立て結びになります。ほどけないようしっかり結びます。
続いて脚絆(きゃはん)(すねあて)・手甲(てこう)をつけます。
これも足袋と同じように、紐を立て結びでしっかりと。
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それから、三途の川の渡し賃だという 六文銭(偽札)を 頭陀袋(ずだぶくろ)に入れて、大切に胸の合わせのところへ入れます。
三途の川が渡れなかったら大変なので、大事なものです。
 
髭を生前と同じにカミソリできれいにそってくれます。
「もし、カミソリで切れちゃったら、血は出ないものなんですか?」と伺いましたところ、
亡くなったからといって、体内で血が固まるわけではなく、もし切れたら逆に血が止まらなくなるのだそう。
みごとにキレイにそって下さいました。
 
「少しお化粧してよろしいですか?」とのことで、女性だったらここで口紅なんかも引いてもらってきれいにするのでしょう。
おじいちゃんですのでフツーな感じに薄く。
だけど、とてもナチュラルに血色がよくなって、本当に寝ているようなお顔になりました。
ここまで終わってから、皆で下の布ごと静かに持ち上げて、棺に納めます。
そのあとは、足元には草鞋(わらじ)、利き手の近くには杖を、反対の手元には数珠を置きます。
 
そして「天冠」。いわゆる幽霊の額についている三角の布です。
最近は額にはつけずに、 網笠に紐を通して一緒に頭の上へ納めます。
旅の支度が整ったら、最後に皆で静かに蓋を閉じます。
一連の儀式はこのような感じで行われるのですが、とても不思議な時間でした。
神聖な気持ちになるような。故人を敬う気持ちになるような。清らかな気持ちになるような。
「生と死」とか「存在」とか「受け継ぐ」とか、いろいろなことを考えていた気がします。
七日を七回繰り返して四十九日の旅が終わります。
それまでの間は、七日毎に故人を思ってお線香をあげるのが供養になるとのことですので、残された母がガックリ来ないかと心配もありますので、ちょこちょこ実家へ帰りたいと思います。
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須藤 有紀

須藤 有紀

須藤有紀(職業:メンタルコーチ)  夫と大学生の2人の娘と4人家族。 ワーキングマザーとして大手電機メーカーに26年間勤務。会社や地域のコミュニティで、多くの人と関わる中で、自己肯定感の有無が、その人の人生の幸福度に大きな影響を与えていることに気がづきました。自己肯定感こそ、幸せの鍵。その大切さを伝えることを第二の使命として退職。現在プロコーチとして活動中。 アドラー心理学をベースにしたコーチングで、子育て中のお母さんの心配や不安を払拭し、自信を持って子育てでき、ご自身の人生も最高に楽しめるよう、全力でバックアップしています。さらに詳しくはこちら。

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