子供を信じる親の覚悟(子供の課題に踏み込まない)

子供を信じる親の覚悟(子供の課題に踏み込まない)

新社会人、入学、進級、入園など、新しい春がスタートしますね。

新生活へ子供を送り出すのは、親にとって喜びでもある反面、不安や大変なこともいっぱいです。

親であれば誰でも、子どもには幸せになってもらいたい、と願うもの。
できるだけ苦労をしないように。悲しい思いをしないように。道を間違えないように。
特別なことは望まないから、普通に幸せになって欲しい。普通の幸せを手にして欲しい。
そんな風に考えたりします。

子供の幸せって、なんでしょうね。

心理学者ルドルフ・ドライカース(アドラーの弟子の一人)の著書「勇気づけて躾ける」の中にこんな一節があります。

私たちは、子どもをその子の人生から守ってやることはできません。またそのような願望を抱くべきでもありません。私たちは、人生に立ち向かっていく勇気と強さを子どもたちに教えてやる義務があるのです。いつ起きるかわからない危険から息子たちを守ってやりたいという母親の願望は、かえってその子の自信を喪失させる結末を招きかねません。このような願望は、彼らを役立たずで、依頼心の強い子どもにしてしまうかもしれません。

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「課題の分離」という考え方

アドラー心理学の考え方のひとつに「課題の分離」というものがあります。
これは、親子関係だけでなく、すべての人間関係において共通するものですが、目の前の課題(問題)は「誰のものなのか?」という視点を常に持つ、というものです。
そして「相手の課題に踏み込まない」「自分の課題に踏み込ませない」というものです。

例えば、受験生になるのに勉強に身が入らない我が子を、心配したりイライラしたりする場合。
まぁ、そう思ってしまうのが親である気もしますし、よくある光景なのかもしれません。。

そこで大切なのが「課題の分離」を意識することです。

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「子供が勉強しなくて困る」という課題は、一体誰の問題でしょう?
誰の問題かを見極めるのは、「最終的に結果の責任を引き受けるのは誰か」ということを考えます。
「勉強をしない」ということで起こる問題は、勉強についていけなくなったり、成績が目標に到達しなかったり、いろいろありますが、最終的に困るのは子供自身です。
最終的に責任を負う人が課題の主となるため、「勉強をしない」という課題は「子供の課題」ということになります。

そしてその子供の課題に親は踏み込むべきではない、とされています。
自分自身の課題に踏み込まれる子供は、課題解決能力を奪われて依存的になります。

課題の分離は、子供の課題には踏み込まないけれども、放任ではありません。
「志望校に入れたら、どんな未来が待っているかな」「勉強するとこんないいこともありそうだね」。反対に「勉強しないと将来こういうことで困るかもしれないよ」、ということを子供に伝えたり示したり、一緒に話し合ったりして、未来を描くサポートをするのはとてもいいことです。
その上で、勉強するかしないかは子供の課題だと覚悟を決め、それでも「いつでも応援しているよ」「いつでもサポートするよ」という関係で見守る姿勢が重要だとされています。

そうは言っても、子供が勉強しないままでいるのを「見守る」のは、親としてはなかなか難しいものがあるかもしれません。
頭ではわかっていても、親子関係となると、実行することが難しく思うかもしれません。

特に母親は子供を「自分とは別の個人」というよりも「自分の分身」のように見てしまいがちだからです。

お互いの課題を共有してみる

子供が勉強をしないことで本当に困るのは誰か?ということを、改めて考えてみましょう。
子供の学力が追いつかず困るのは誰でしょう?
→本当に子供が困りますか? 本当に子供自身が困ったことになりますか?
子供自身が困る場合、どんなことが考えられますか?
お子さんと一緒に、困るケースを想定して話し合ってみるのもいいですね。

他にはどんなことがありそうでしょうか?
親である私達は、実際どんなことが困りそうでしょうか?

もし子供の学力が追いつかず、公立高校へ行けなかった場合、お金のかかる私立高校へ行くことになるわけです。
お金を払うのは親なので、これは「親の課題」となるでしょう。
親はこの点について、「私立に行くとなると家計が大変になる」という課題があるならば、それをきちんと子供に伝えるべきでしょう。
「私立にいくと年間でこれだけの費用がかかり、家計のどこをやりくりすることになるか」など、高校受験を控えた年齢の子供であれば理解できることです。
そこを子供に伝えることで、だから「勉強をしないと困る」と理解してもらうのもよいと思います。

本当は誰のため?誰の問題?何が困るの?

実は子供が勉強しないことを、不安に不満に思っているのは、結局は親の都合だったりします。
親が不安なんですね。親が心配なんです。
「子供が困ったことにならないように」「子供には幸せになって欲しい」と思っていることは事実でも、その下で、不安で心配なのは親自身なのです。
親自身を安心させて欲しいがために、親自身の心配をどうにかしたいがために、口うるさく子供の課題に踏み込んでしまう、というケースはよくあります。
子供が困難を乗り越えていく力がないのかも、そういう風に自分が育ててしまったのかも、と自分自身を責め、自分自身が不安なのです。
まずは、親自身が自分の心配・不安に気づき、受け止めてみましょう。
その上で、親の不安や心配はグっとこらえて、子供を信じる。信じて関わる。どうなってもきっとこの子は大丈夫。どうにかなっても私達がいる。
親として、そんな姿勢で関わっていけたら、子供の自主性は育まれ、自分で自分の人生を切り開いて、自分の足で歩いていけるようになります。

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須藤 有紀

須藤 有紀

50歳からのセカンドステージ専門コーチ  1989年ソニー株式会社入社。管理部、財務部を経て秘書へ。 親友の鬱をきっかけに、自己肯定感を高め幸福度の高い日本社会を作りたいという想いを抱き、26年の会社員生活にピリオドを打ち退職。 2016年、世界最高水準のプロコーチ養成スクールで、平本あきお氏、宮越大樹氏に師事。 アドラー心理学をベースにしたコーチングと、NLP、幸福学研究を取り入れた独自のメソッドで、自分の魅力と可能性に気づき、制約のない第二の人生を実現するWell-beingな生き方を一緒に叶えている。株式会社チームフロー認定コーチ  さらに詳しくはこちら。

セミナー情報 

須藤 有紀
50歳からのセカンドステージ専門コーチ  1989年ソニー株式会社入社。管理部、財務部を経て秘書へ。
親友の鬱をきっかけに、自己肯定感を高め幸福度の高い日本社会を作りたいという想いを抱き、26年の会社員生活にピリオドを打ち退職。
2016年、世界最高水準のプロコーチ養成スクールで、平本あきお氏、宮越大樹氏に師事。
アドラー心理学をベースにしたコーチングと、NLP、幸福学研究を取り入れた独自のメソッドで、自分の魅力と可能性に気づき、制約のない第二の人生を実現するWell-beingな生き方を一緒に叶えている。株式会社チームフロー認定コーチ 
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