親の役割、見直していますか?

完全保護期の赤ちゃん
我が子が無事に生まれて、感動と安堵に包まれたのもつかの間、お母さんは寝不足との戦いが始まります。
生後3ヶ月くらいまでは、2、3時間おきの授乳とおむつ交換の日々です。
赤ちゃんは、完全に依存している状態で、大人の保護がなくては生きてはいけません。
お母さんは、赤ちゃんの生理的欲求に全力でこたえ、抱っこして、おっぱいをあげて、おむつを交換し、見つめあい、優しく語りかけ、スキンシップをとります。
この時期のお母さんの献身的なお世話こそ、赤ちゃんの人格形成に大きな影響を与え、自己肯定感のベースを作っていく上でも、とても大切です。
親の役割を見直す時期
1歳を過ぎる頃には、寝返り、おすわり、ハイハイ、立っち、ができ、そして歩くようにもなります。
何もできなかった赤ちゃんが、ただかわいいだけの存在ではなく 、日に日に動きが活発になっていくと、同時に危険なことも増えていきます。
「~しちゃダメ」「~しなさい」と言うようになるのも、この頃でしょうか。
2~3歳にもなると、言葉を話し、活動範囲もどんどん広がっていくと、ますます「ダメ」「しなさい」が多くなり、子供を守ろうとします。
そしてやがて、もう子供が、保護や支配だけでは通用しない年齢に突入しても、親は気づかず、子供を保護することが愛情であると思い込み、「保護・指示・命令」を続けようとします。
それこそが自分の使命だと勘違いし、子供の自由を奪い、子供を「できないままの存在」として扱い、子供自身の成長を妨げることをしてしまいます。
お母さんの「親の愛情」という大義名分のもとに、保護・支配され、いつまでも「できない子」として育ててしまうことになるのです。
親が「保護者」「支配者」でい続ける限り、子供は「できない子」の役割をいつまでも背負わされているのです。
それが、家族の中での自分の役割だと理解し、そのように存在するしかないからです。
子供をよくみて、親も一緒に成長する
子供の成長をよく見て、子供の成長と共に親も成長し、親の役割を考え、対応を変えていくことが大切です。
子供の「自己肯定感」を育てるためには、何もできなかった赤ちゃん時代の、完全保護していた役割を、親が終わりにしなければなりません。
次の親の役割は、子供を「できる子」として応援することです。
子供がやろうとすることを、先回りしてやってしまわずに、心配はありながらも、ぐっとこらえて、手を出さずに見守ることです。
保護期を過ぎた子供に、次に親がやるべきことは「見守り、応援する」ことです。
我が子を「できる子」として見守り、子供が求めてきた時には、いつでもサポートしてあげる。
自立に向けて歩き出した子供が、時に不安になって振り返ったときに、親はいつでも後ろで見守ってくれている。
そういう親子関係が、子供の自己肯定感を育み、安心して、いつか本当の自立をしていくことができるのです。
須藤 有紀
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