「ピグマリオン効果」ってご存じですか?

「ピグマリオン効果」というものを聞いたことがありますか?
ピグマリオン効果とは、1964年にアメリカの教育心理学者R.ローゼンタールによって提唱されてたもので、小学校を通して行った実験で「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」 と結論づけた教育心理学の理論です。
ローゼンタールは、ある小学校で「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」と名付けたテストを実施しました。
実は、テスト内容はごく普通の知能テストでしたが、学級担任には、「今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査である」と説明してありました。
実験施行者の検査結果と関係なく、ランダムに選ばれた児童で名簿を作成し、学級担任に「この名簿に記載されている児童が、今後成績が伸びる子供達です」と伝えます。
将来の学力のお墨付きをもらった生徒達です。
選ばれた生徒とその他の生徒の成績の伸びを比較したところ、選ばれた生徒の方がより高い学力の伸び率を示しました。
先生が事前に、児童に対して情報を持つことで、意識的・無意識的に学習効果に対する期待を作り出します。
先生が「この子は学力が高い子だ」と思っていると、先生自身も無意識のうちに、その子に対して「学力の高い子」としての関心を払って、熱心に指導をするようになります。
万が一、期待されているはずの学力の伸びが見られないときは、「もっと伸びるはず」と思い込んでいるので、指導内容を工夫して、より学力を伸ばす努力をするようになるなど、結果、自然にその生徒の成績が上がってゆくという現象が起きたことを示しています。
人の成長はお互いに影響を与え合っているため、このように教師が子どもに期待を抱くと、意識的ではないにせよ、教師の態度や雰囲気などを通じて、 教師の期待が子どもに伝わり、子どもの自己概念が変容して、意欲が湧いてくるような現象も見られます。
ピグマリオン効果を子育てに生かす
これは学力だけに限らず言えることですが、我が子の能力をもっと伸ばしたいと思ったら、親である私達が信じてあげることなのです。
口先だけで「大丈夫!あなたならできる!」「ママは(パパは)信じてる」と言ってみても、本心からそう思っていなければ、無意識に子供に伝わります。
心の底から信じて「この子はやれる」と確信してあげることが大切なのです。
とはいえ、なかなか難しいのが現状かと思います。
我が子の可能性を心の底から肯定的に確信を持つことが難しいという場合、まずは30個、我が子のいいところを紙に書き出してみてください。
30個出てこなくても、無理やりでもいいのでとりあえず30個、出してみます。
コツは、本当は心配な要素として捉えていることも、見る視点を変えて言い換えてみることです。
例えば、こんな感じで。
「どうしてこんなにも落ち着きがないんだろう」と思っていたとしても、「じっとしていられないくらい元気いっぱい。元気でいてくれるだけでいい」などと言い換えてみます。
こうすれば、同時に「あまり好ましくない」と思われていたことも、見方を変えれば何も心配することなんてなかったんだ、と思えるのではないでしょうか。
そうなんです。
すべては私達の捉え方(見方、視点)次第なのです。
これに気づけるだけで、多くの悩みは解消され、子育てに関しては、子供の可能性を引き出せるように働きかける親になることができるのです。
須藤 有紀
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