母親の「孤独」が育児を辛くさせている現状
前回の記事で、卵巣機能の重要性についてお話しをしました。
もう少し詳しく言いますと、卵巣で生成されるエストロゲンホルモンというものが、女性の一生にとても重要になってくるのです。
エストロゲンは女性ホルモンのひとつですが、この分泌が女性の身体にも心にも大きな影響を与えています。
エストロゲンの分泌量はひとつの生理周期の中で、生理が始まる頃から少しずつ増えて、排卵直前にピークになり減少する、という一定のサイクルで増減を繰り返しています。
生理前はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が少なくなり、反対にプロゲステロン(黄体ホルモン)が増える影響で、気持ちが落ち込みやすくなったり、どうにもイライラしたり変化が起こります。
出産後にも同じことが起こります。
妊娠から出産まではエストロゲンの分泌量がどんどん増えますが、出産したとたん急激に減少します。
産後はホルモンバランスが乱れる、と言われるのはまさにこのことで、これにより、産後に不安になったり孤独を感じやすくなるのです。
これは私も実体験としてあるのですが、20年近く前、長女を産んだ時、まさに「産後うつ」の状態になったのです。
産後の入院期間中でしたが、夫に急な出張が入り2日ほど面会に来れない日がありました。
その不安も重なったのか、とにかく物凄い責任と重圧を感じて、「お腹に戻って欲しい~~」と、面会に来ていた母に泣いて訴えたことを覚えています。
そして2日ぶりに病院に来た夫に向かっても、泣いたような気がします。
あとから思えば「何だったんだろう?」という感じなのですが、今思い出してこうして書いていても、なんとなく暗~い嫌~な気持ちになる体験でした(−_−#)
人間は本来、共同で子育てするようにできている
人間の育児は本来、周りと協力して、みんなで育児をするもののようです。
それが現代では核家族化が進み、母親は孤独に一人で子育てをしていかなくてはなりません。
「赤ちゃんが生まれたら幸せだと思っていたのに」「こんなこと聞いていなかった」と、育児を辛いと感じるお母さんは増えています。
核家族化が進んだ分、家以外で他者とのつながりを求めて、子育てのイベントやママサークル、ベビーちゃんも一緒の習い事に熱心に参加します。
昼間はこういった活動に参加することで、いろいろ悩みを相談しあえたり、安心感を得たりできますが、家に帰れば相変わらず夫の帰りは遅く、また孤独が待っています。
「子供と二人になるのが怖い」と言うのがお母さんの本音・・そしてそう思うお母さんが多いのが現状です。
本来、幸せであるはずの育児を辛くしているのは、母親の孤独に他なりません。
自分以外の誰か大人の目があれば、どんなに救われるでしょう。
夜泣きで辛い時、ほんの1時間でも抱っこを代わってあげられたら、どれほど休息できるでしょう。
(夜はママ以外の人じゃ無理かもしれませんが・・)
私の妹にも1歳になる女の子がいまして(姪っ子です)、家も近いのでしょっちゅう行き来しているのですが、例えば、遊びに行っている間の1食だけでも食事をあげるのを代わってあげる、お風呂から出たときに着替えさせてあげる、など、1日のうちのほんの一瞬でも、手伝ってあげるととっても助かると感謝されます。
ママ達が駆け込める場所が必要
さらにママを不安定にさせるのは、長く続く睡眠不足です。
睡眠不足ほど、理性をコントロール不能にするものはありません。
夜泣きはいつまで続くのだろう?
いつになったらまとめて睡眠がとれるのだろう?
永遠にこのままなの?
お母さん達の悲痛な思いが伝わってくるようです。
お母さん達が、育児で不安になったり、いっぱいいっぱいになった時に、いつでも駆け込める場所が必要だよなぁ、と思います。
そして、その場所を作るだけでなく、誰もが当たり前のこととして、安心して利用できる仕組みづくりが求められます。
これを実現することも、私のミッションの一つになっていたりして。
須藤 有紀
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